石井武寿税理士事務所 > 記事コンテンツ > 会社が上場を目指すときに行うべきこと|上場のための基準とは?
企業が株式を公開し、上場企業となることは、事業を成長させるために効果的な手段です。
しかし、上場を認められるためには、業績の良さだけではなく、社会的責任を担うにふさわしい内部統制なども求められます。
本記事では、上場審査を通過するために満たすべき基準や、上場を目指すにあたって行うべきことなどについて解説します。
会社の上場とは、未公開の株式を証券取引所に上場させ、一般の投資家が自由に売買できるようにすることをいいます。
株式を公開することにより、企業は不特定多数の株主から広く資本を調達することが可能となります。
会社が証券取引所に上場するためには、証券取引所が定める上場審査基準をすべて満たしていなければなりません。
具体的に満たすべき基準の内容は、以下の通りです。
形式基準とは、企業の規模や実績を測るための数値化された基準です。
主に、次の項目が含まれます。
株主数
流通株式数
流通株式時価総額
時価総額
利益の額
純資産の額
上記についてそれぞれ定められた数値基準を満たしていない場合、上場申請を行うことができません。
実質基準では、以下の項目が総合的に評価されます。
企業の継続性
事業の収益性
コーポレート・ガバナンスの有効性
内部統制システムの適正性
企業経営の健全性
上記に加えて、過去の法令違反や反社会的勢力との関わりがないことなど、コンプライアンスの徹底度などについても調査されることになります。
上場を目指す際には、通常、申請期から逆算して3年から5年程度の長期的な計画に沿って進行します。
具体的に会社が上場を目指すときに行うこととして、次のことが挙げられます。
上場申請のための事前準備として、公認会計士や監査法人によるショートレビューを受けることが一般的です。
ショートレビューでは、主に以下の5つの項目を外部の専門家が調査し、上場に向けた課題を洗い出します。
決算処理体制
経営管理体制
利益管理体制
業務管理体制
取引状況
取締役会や監査役会の機能を強化し、社外取締役を選任して客観的な経営監視システムを構築します。
また、財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムを整え、業務フローの文書化と運用実績を蓄積しなければなりません。
権限と責任の所在を明確にし、不正やミスを未然に防ぐ仕組みを組織全体に定着させることが求められます。
上場を目指す際には、税務申告を目的とした従来の記帳から、投資家向けに適時開示を行うための高度な会計基準への移行が必要です。
公認会計士による財務諸表の監査を継続的に受けられるよう、日々の記帳精度を高め、売上計上や在庫評価の妥当性を証明できる体制を整えます。
また、精緻な予算策定と月次での予実管理を徹底し、業績の予測可能性を高めることが、市場からの信頼を獲得するために効果的です。
労務管理の不備は、上場を困難とする原因になりやすい項目です。
勤怠管理システムの導入や、36協定の適正な締結・届出の徹底などによって、法令を遵守した健全な労働環境を構築することが欠かせません。
上場審査に向けて、証券取引所や主幹事証券会社へ提出するための申請書類を作成し、実際の手続きを進める必要があります。
具体的には、次の書類を正確に作成するようにしてください。
有価証券届出書または上場申請のための有価証券報告書
事業計画書
コーポレート・ガバナンスに関する報告書
内部統制報告書
上記は、企業の財務状況やリスク管理体制を正確に開示するための重要な資料となります。 手続きにおいても、主幹事証券会社による事前査察や、監査法人からの指摘事項に対して迅速に対応することが求められます。
本記事では、上場審査を通過するために満たすべき基準や、上場を目指す企業が行うべきことなどについて解説しました。
会社が上場するためには、形式基準と実質基準の両方を満たしていなければなりません。
上場を目指しているのであれば、早い段階からショートレビューを受け、課題点を洗い出すことが推奨されます。
ショートレビューの結果をもとに、上場審査基準を満たすための計画を進めていきましょう。
税務リスクを早期発見したいとお考えの方や、資本政策についてのアドバイスを必要とされている方は、税理士に相談することを検討してください。